衆院選、自公300超 改憲勢力3分の2 立憲民主が野党第一党に

 
開票速報センターでインタビューに応じる自民党総裁の安倍晋三首相=22日午後、東京・永田町の自民党本部(松本健吾撮影)

 第48回衆院選は22日、投票が行われ、一部地域を除き開票された。自民、公明両党で定数465の過半数(233議席)を制し、絶対安定多数(261議席)を上回って、追加公認を含め300議席を超えた。改憲勢力は憲法改正の国会発議が可能となる3分の2(310議席)を超えた。安倍晋三首相(自民党総裁)の5年近くにわたる政権運営が信任され、来年秋の総裁3選に向け、道が開けた。小池百合子代表(東京都知事)の希望の党は公示前勢力を下回り、躍進確実の立憲民主党が野党第一党になる見通しだ。

 絶対安定多数では、全常任委員会の委員長ポストを独占でき、なおかつ委員の過半数を確保できる。強固な政権基盤をこれからも維持することになる。

 自民、公明両党は、首相が設定していた勝敗ラインをクリアした。自民党は単独でも過半数を確保した。首相は22日、民放番組で「厳しい視線があると認識しながら、勝利に対して謙虚に向き合う」と述べた。二階俊博幹事長は民放番組で次期総裁選で首相を支持する考えを示した。公明党は神奈川6区で落選確実となった。自民、公明両党の大勝で北朝鮮対応や幼児教育無償化など重要政策が前進する。

 首相は22日夜の民放番組で、自身が掲げた2020年の新憲法施行方針について「一つの目標として掲げたわけだが、スケジュールありきではなく、まずはしっかりと議論を深めていきたいし、より多くの方々にご賛同いただきたい」と述べた。また首相は、「希望の党をはじめ、他の政党とも話をさせていただきたい」と述べ、憲法改正に向けた希望の党との連携の可能性も示唆した。

 希望の党は伸び悩み、公示前の57議席に届かない可能性がある。小池氏は22日、出張先のパリで「私の言動で不快な思いを抱かせてしまい、厳しい結果になった。おごりがあったと反省している」と述べたが、代表続投の意向を示した。

 立憲民主党は公示前の16議席から3倍に達した。同党の枝野幸男代表は22日のNHK番組で、無所属で出馬した民進党出身者との連携に慎重な姿勢を示した。日本維新の会は公示前の14議席を下回る。共産党は苦戦している。日本のこころは政党要件を失う見通し。

 民進党の前原誠司代表は23日未明の記者会見で、希望の党への合流に関し「選挙結果が出たので見直さなくてはいけない」と述べた上で、参院議員と地方組織の扱いを決着させた段階で辞任する意向を表明した。

 共同通信が午後11時現在で集計した推定最終投票率は53.83%で、戦後最低だった前回を1ポイント程度上回る可能性がある。総務省は22日、期日前投票は2137万8387人(速報値)で前回衆院選に比べ62.54%増えたと発表した。

 首相は11月1日にも特別国会で第98代首相に指名され、第4次安倍内閣が発足する運びだ。麻生太郎副総理兼財務相ら主要閣僚を再任させる。23日に与党党首会談を行い、連立維持を確認する。

【用語解説】衆院過半数と安定多数

 衆院定数465の過半数は233。憲法56条は特別の定めのある場合を除き、出席議員の過半数で衆参両院の議事を決すると明記しており、政権を担う際に目安となる議席数と言える。各委員会で政府提出法案の否決を防ぐ指標となる「安定多数」は244。法律上の常設機関である17常任委員会の委員長職を独占し、全常任委員会で野党と同数以上の委員を確保できる。全常任委員長ポストを押さえ、過半数の委員も送り込めるのが「絶対安定多数」で261。