CO2課金し温暖化対策を 国内企業団体が導入求める

 

 排出量取引や炭素税など二酸化炭素(CO2)の排出に課金をして排出削減を促す「カーボンプライシング(炭素価格付け)」政策の導入を求める意見を、リコーやイオン、富士通など国内43社でつくる企業の団体が、10月30日に都内で開かれた環境省の中央環境審議会で表明した。

 日本鉄鋼連盟や日本自動車工業会などは導入に反対しており、地球温暖化対策をめぐる産業界内部の意見の違いが鮮明になった形だ。

 この団体は「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」。温暖化対策に積極的に取り組むことをビジネスチャンスと考える企業のネットワークとして2009年に設立された。

 中環審が議論している次期の環境基本計画に関するヒアリングで、JCLPの石田建一・代表代行(積水ハウス常務執行役員)は「国際的な温暖化対策のパリ協定が目指す脱炭素化への対応に乗り遅れると、企業は存在できない」と指摘。来春にまとめる見通しの次期基本計画については「一歩踏み込んだ内容を期待する。社会の脱炭素化に効果的で、脱炭素関連市場の拡大に有効なレベルの炭素価格付けの導入を望む」と述べた。

 カーボンプライシングは、温室効果ガスの削減を効率的に進める政策として、欧州や米国の州政府のほか中国や韓国でも導入されている。