トランプ氏来日 ゴルフで親密さ世界にアピール 「シンゾーと私は類い希な関係だ」

 
ゴルフ場を歩く(前列左から)松山英樹選手、安倍晋三首相と、トランプ米大統領(右)=5日、埼玉県川越市の霞ケ関カンツリー倶楽部(内閣広報室提供)

 「イッツ・ア・ビューティフルデー!」。ようやく日本の地を踏んだトランプ米大統領は抜けるような秋空を見上げ、安倍晋三首相にこう語りかけた。5日午後、「霞ケ関カンツリー倶楽部」(埼玉県川越市)で行われた日米両首脳のゴルフ会談は、2月の米フロリダ州の「マールアラーゴ」以来2回目。両首脳は6日の会談を控え、昼食、ゴルフ、夕食と長い時間を共にした。北朝鮮情勢が緊迫化する中、2人は一体何を話したのか-。

 米牛バーガーに舌鼓

 5日正午、大統領専用ヘリ「マリーンワン」でゴルフ場に到着したトランプ氏は首相と握手を交わすとクラブハウスに入り、2人で米国産牛の特製ハンバーガーに舌鼓をうった。

 2月のゴルフでは、プロゴルファー、アーニー・エルス氏とともに27ホールを回った。今回はトランプ氏の希望により、プロゴルファーの松山英樹氏が参戦したが、長旅の直後とあって9ホールだけとなった。

 トランプ氏は「ゴルフの方が昼食よりも相手と親しくなれる。ゴルフがなければ私のビジネスは成功しなかった」が口癖。2月のゴルフ会談は両首脳の親密さを世界に印象づけたが、今回もプレー中に2人だけで国際情勢などについて意見交換を続けたという。

 両首脳の関係を決定づけたのは、大統領就任前の昨年11月に米ニューヨークのトランプタワーで行われた非公式会談だった。ここで首相が国際情勢を熱心に説明したところ、トランプ氏は首相に好感と尊敬の念を抱いたとされる。

 その後、両首脳の会談は計4回、電話会談は16回に上る。会談ではトランプ氏が首相に国際情勢に関する見解を聞くのが常となり、最近も北朝鮮情勢についても「シンゾーの言った通りになってきたな」と感心したように語ったという。

 ワンダフルな2人

 「天気もよく、トランプ大統領も私も本当に楽しい一時を過ごすことができた。いろんな難しい話題も織り交ぜながら突っ込んだ話ができた」

 ゴルフ後、首相は記者団にこう語った。トランプ氏はツイッターに自らのショット映像を上げ、「安倍首相と松山英樹、ワンダフルな2人と一緒にゴルフ中」と書き込んだ。

 夜はメラニア、昭恵両夫人を伴い、東京・銀座の鉄板焼き店へ。トランプ氏は夕食の直前、記者団にこう語った。

 「北朝鮮や貿易などの主要な課題で議論の真っ最中だ。私たちは類い希な関係だ。私たちも日米両国民も相思相愛。これほど日米が親密だったことはない」

 首相は周囲に「詳しくは言えないが、北朝鮮などで本音の話ができた」と明かしたという。

 首相の戦略そのもの

 トランプ氏が横田飛行場で行った演説も、首相との親密さを印象づけた。

 「われわれは同盟諸国とともに自由で開かれたインド太平洋地域の発展を目指す」

 この発言は、首相が昨年打ち出した「自由で開かれたインド太平洋戦略」と全く同じ。「アジア戦略の欠如」を指摘されるトランプ氏だが、その戦略が日本と軌を一にする可能性が高まっている。

(田北真樹子)