魅力度ランク5年連続最下位も県民の8割は県に愛着 茨城県 ちなみに自慢したい1位は?

 
平成29年度県政世論調査で「知人に自慢したいもの」の設問で1位となった国営ひたち海浜公園。春にはネモフィラが色鮮やかに咲き誇り、観光客を楽しませる=平成29年4月、ひたちなか市馬渡(丸山将撮影)

 茨城県が11日に発表した平成29年度の県政世論調査の結果によると、県民の8割以上が県に「愛着」を持ち、約7割が「誇り」を持っていることが分かった。民間調査会社が昨年10月に発表した都道府県魅力度ランキングで5年連続で最下位となった茨城だが、ランキングの評価に反して、県民の郷土愛は高い水準を維持している。

 調査は昨年7月、県内に住む18歳以上の男女1500人を対象に実施。回答率は71・5%だった。

 県に対する愛着の有無を問う設問に、「持っている」と「どちらかといえば持っている」をあわせた回答は83・3%(前年度比1・6ポイント増)を占め、5年連続で8割を超えた。県に対する誇りについて尋ねたところ、「どちらかといえば」を含めて「持っている」と回答したのは70・8%(同3・1ポイント増)だった。

 理由としては、「住みやすさ」をはじめ、「海、湖、川、山などの自然」「豊富な農林水産物」がいずれも多数を占めた。

 「茨城の魅力として知人に自慢したいもの」の項目では、前年度まで4年連続で1位だった「納豆の生産量日本一」を、ネモフィラやコキアなどが有名な「国営ひたち海浜公園」(48・1%)が上回り、初の1位になった。以下、県出身の横綱・稀勢の里関、大関・高安関(45・9%)▽納豆の生産量日本一(40・3%)▽生産量日本一のメロン(37・0%)▽筑波研究学園都市(33・9%)-と続いた。

 県広報広聴課は「県の情報発信強化や魅力度ランキング最下位などをきっかけに県民が茨城の情報に触れる機会が増え、愛着が掘り起こされているのではないか」と分析する。「これからも“伝わる”情報発信を継続し、県民一人一人にもPRマンになってほしい」としている。

 また、平成31年に開催される茨城国体については、「国体も茨城での開催も知っている」との回答が5割を超え、前年度の約4割から認知度が上昇していることが浮かび上がった。

 県政への要望では、「子育て支援・少子化対策の推進」が32・6%(前年度比0・5ポイント増)で前年度に続いて最多となった。次いで「医療体制の充実」が29・7%(同5・4ポイント増)、「高齢者福祉サービス体制の充実」が29・2%(同0・6ポイント減)となっている。

 暮らし向きの満足度を尋ねたところ、「満足」と回答したのは69・6%で前年度調査を0・3ポイント上回った。一方、「苦しくなった」という回答は26・4%で前年から3・3ポイント減少した。(鴨川一也)

■平成29年度県政世論調査の主な質問と回答

(問)知人に自慢したいもの

(1)国営ひたち海浜公園48.1%

(2)稀勢の里関、高安関45.9%

(3)納豆の生産量日本一40.3%

(4)生産量日本一のメロン37.0%

(5)筑波研究学園都市33.9%

(問)愛着を感じるところ

(1)住みやすさ67.5%

(2)海、湖、川、山などの自然50.2%

(3)豊富な農林水産物43.4%

(4)人の良さや優しさ、おもてなし23.6%

(5)科学技術の集積22.8%

(問)誇りを感じるところ

(1)住みやすさ64.4%

(2)海、湖、川、山などの自然49.1%

(3)豊富な農林水産物48.9%

(4)科学技術の集積31.3%

(5)人の良さや優しさ、おもてなし21.9%

(問)国体が茨城で開催される認知状況

(1)国体も茨城での開催も知っている54.6%

(2)国体は知っているが、茨城での開催は知らない27.9%

(3)国体も茨城での開催も知らない17.3%

(問)県に望む食の安全対策

(1)輸入食品の安全性の確保45.0%

(2)食品の検査強化35.7%

(3)輸入食品の規制強化29.2%

(問)重点的に整備すべき道路

(1)道路の幅が狭い生活道路58.6%

(2)渋滞が発生している幹線道路や補助幹線道路53.9%

(3)歩道が整備されていない通学路49.0%

(問)県政への要望

(1)子育て支援・少子化対策の推進32.6%

(2)医療体制の充実29.7%

(3)高齢者福祉サービス体制の充実29.2%