経常収支1兆9999億円の黒字 7月1.3%減、中国向け輸出減速
財務省が9日発表した7月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は1兆9999億円の黒字だった。黒字は61カ月連続だが、前年同月との比較では1.3%減少した。米中貿易摩擦に伴う中国向けの輸出減速を受け、貿易収支の赤字幅が拡大したことが響いた。
経常収支のうち、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は745億円の赤字だった。中国向けの自動車部品や半導体製造装置が振るわず、輸出が3.9%減の6兆5049億円となった。輸入は石油製品などが落ち込み、3.0%減の6兆5795億円だった。
旅行や貨物輸送を含むサービス収支も、研究開発やIT関連のシステム管理で海外への支払いが増え、2299億円に赤字幅が拡大。旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」は外国への出国者が多く、微減の2293億円の黒字だった。
一方、企業が海外投資から得る利子や配当金の動向などを示す「第1次所得収支」の黒字は1.2%増の2兆3899億円となった。海外子会社から受け取る配当金が増加し、7月としては比較可能な1985年以降で過去最高を更新した。
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