多地域展開の企業などが駐在員にホームリーブ手当を支給する場合、上海の駐在員と大連の駐在員で課税関係が異なることに留意しなければなりません。大連の駐在員は、個人所得税の負担が増えてしまうため当該課税分については企業が別途補填(ほてん)する場合が多くなっています。不公平な場合も
そのため、日本本社で中国赴任者用の出向者規定を策定しても、地域によって不公平が生じる場合があり、管理が非常に煩雑となりかねません。
多地域で事業を展開する企業は、「地域による法令実務の相違」が存在することを前提に、現地の法令実務事情を把握し、一律的な運用ではなく、地域の実情に応じて柔軟に対応していくことが重要です。
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◆赴任する前に
Q 日本人が中国へ赴任する際に必要な手続は?
A まず、就労ビザ(Zビザ)の取得が必要です。就労ビザの取得手続はかなり煩雑です。日本では中国領事館での手続や健康診断(中国で受けることができる場合もあり)が必要で、中国では入管局などでの手続が必要です。健康診断は赤十字病院など、指定された病院でなければ認められません。また税務的には、出国前までに日本で所得税の年末調整および住民税の移動届を提出して、駐在開始から中国での居住者として中国で納税するのが一般的です。
Q 中国の外国人用ビザで、FビザとZビザの違いは?
A Fビザは出張者用の短期滞在ビザで、Zビザは駐在員用の就労ビザです。Fビザは、Zビザに比べて取得が簡単ですが、中国国内での労働が認められていません。
Q 日本人駐在員は中国の社会保険に加入する必要がある?
A 以前は加入が不要であったため、日本の社会保険に継続して加入するケースが一般的でした。しかし、2011年7月から外国人の社会保険加入を盛り込んだ法律が交付されたため、今後の実務対応が注目されています。