【日曜経済講座】「逆進性」で混乱する消費税審議 また“ばらまき”に陥るのか (1/3ページ)

2012.5.28 09:10

 参考になるカナダ方式

 社会保障と税の一体改革に伴う消費税増税関連法案の国会審議が、焦点の低所得者対策をめぐって入り口で混乱している。給付付き税額控除や軽減税率などで議論がかみ合わないのだ。どこがどう問題なのかを改めて整理してみよう。

 ◆欧米の「給付付き」

 消費税には低所得者ほど負担感が重くなる「逆進性」が指摘されている。このため、法案では2014年4月に8%にする際に低所得者層に現金を支給する「簡素な給付措置」を実施する。この措置には疑問もあるが、まずは支給の対象、額とも厳しく絞り込むよう求めておきたい。

 問題は単一税率を維持して15年10月に10%とする段階だろう。この際には社会保障と税の共通番号「マイナンバー」の導入・定着を念頭に、所得控除の抜本的整理と合わせて「給付付き税額控除」を導入するという。「簡素な給付措置」をこれに切り替えるわけだ。

 自民党は自公政権時代の税制改正で、この制度と複数税率、つまり軽減税率の導入を低所得者対策の検討事項として盛り込んだ。だが、国会審議を聞いていると、軸足を軽減税率に移したようだ。

 では、給付付き税額控除から見てみよう。この制度は控除される税額が納付すべき税額を上回る人や課税最低限以下の低所得者に現金を給付する仕組みで、欧米などで広く実施されている。ただ、多くは就労促進策として設計された「就労税額控除」や児童支援策としての「児童税額控除」などであり、付加価値税の逆進性緩和を目的とした制度は極めて少ない。

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