そして政権の意向を受けた彼らは、「琉球が中国領」という論を単なる論として唱えるのではなく、「政府・学界・メディア」の「連携」による「沖縄工作」の展開を具体的に提案した。
その中で、「琉球人民に十分な民族自決権を行使させよう」という、赤裸々な「沖縄県民離反工作」までが公然と語られているのである。
つまり中国が欲しがっているのは、決して尖閣諸島だけではないことは明々白々だ。彼らはすでに、日本の沖縄に対する野望をむき出しにしている。おそらく中国からすれば、沖縄を名実ともに「中国の属地」にしてしまえば、中国の海洋制覇戦略の最大の妨げとなっている米軍基地をかの地から追い出すこともできるし、日本本土を完全に中国の軍事力の脅威下に置くこともできよう。
そうすると、「琉球の中国属地化」の次にやってくるのは、すなわち「日本の中国属国化」なのである。
われわれはまさにこのような意味合いにおいて中国の考える「沖縄工作」の真意と狙いを理解しておかなければならない。このような国家存亡の危機にどう対処するのかが、まさにわれわれにとっての重要課題となるのである。
【プロフィル】石平 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。