日本企業の対カンボジア投資【拡大】
JICA(国際協力機構)からCDCに派遣されている投資アドバイザーの今村裕二氏は、最近1カ月だけで家電部品や金型プレスなど100件以上の投資相談で大忙しで、「日中関係悪化を機に投資にドライブがかかった」と実感している。
日本電産のように一部の生産をタイからカンボジアに移す「タイ・プラスワン」の動きも「水面下で活発化している」(日本貿易振興機構の道法清隆プノンペン事務所長)。
先行するのは、小型モーターなどの生産を開始したベアリング大手のミネベアだ。平成25年春に工場を2倍近くに拡張するが、現地法人の香月健吾副社長は「工場の立ち上げや従業員研修はタイ人や中国人の駐在員が担当した」と笑顔を見せる。
インフラ不足が課題
課題は、インフラ不足や原材料の調達だ。労働改善を求めるストライキも発生し、進出企業からは「要求をのむしか解決策はない」とのぼやきも聞こえる。少しでも不満を抑えようと、各社は村までのトラック送迎や社員食堂の充実、クメール語の読み書き教室など従業員の確保に躍起だ。
カンボジアへの投資は金額では中国の存在感が大きいが不動産など雇用につながらない投資も少なくない。「従業員を大切にする日本企業の良さや技術・サービス産業の質の高さ」(黒木雅文・駐カンボジア大使)をいかに浸透させるかが成功の鍵を握る。