豊作にもかかわらず、店頭価格が高値で推移する12年産米=都内のスーパー【拡大】
2012年産の新米がスーパーなどの店頭に本格的に出回る中、コメの価格が高止まりしている。
農林水産省によると12年産米の作況指数は4年ぶりの豊作見通し。本来なら出荷量の増加を見込み、価格は弱含みとなるはずだが、流通価格は東日本大震災の影響があった11年産米からの高値傾向が続く。店頭価格は前年比約1割高で推移しており、家計を圧迫している。
「何度も卸にかけあったが、値下げは無理といわれた」
東京都内の米穀店経営者はこうため息をつく。仕入れ価格は昨年より2割上昇。やむなく売れ筋のもうけを削り、価格が5キロ2000円を超えないようにしたが、「このままでは経営が持たない」と頭を抱える。
12年産米の作況指数(10月15日現在)は102(平年作=100)の「やや良」で、08年産以来の豊作。収穫予想量は目標数量より約28万トンも増える。
ところが業者間の取引価格(60キロ当たり)は過去最高値の1万6650円。店頭の小売価格も「おおむね昨年より100~200円高い」(都内のスーパー)。