補正予算案に組み込む緊急経済対策を決定する閣議に臨む安倍晋三首相(中央)=11日午前、首相官邸【拡大】
政府がまとめた2012年度補正予算案は、環境・エネルギー対策を前面に押し出して成長戦略を実現する対策を盛り込んだ。電気自動車(EV)や省エネルギーなどの分野であらゆる政策手段を投入し、二酸化炭素(CO2)削減と経済成長の同時実現を目指す。
CO2を排出しないEV普及の環境整備を進めるのが経済産業省。EV用急速充電器の整備事業で総額1000億円を出す。急速充電器の1基当たりの設置コストは300万~500万円程度と割高で普及が進んでいない。
このため高速道路のサービスエリア(SA)や、幹線道路沿いの商業施設などに急速充電器を設置する際、費用の一部を負担する。急速充電器は現行の約1400カ所から約3万5000カ所に増やすのが目標だ。
電力不足の克服に向けた施策も盛り込んだ。経産省は、電力消費が大きいデータセンターなどへの配電ロスを大幅に低減するため、高温超電導技術を活用した「直流送電システム」の試作を実施する。