百貨店では、高級時計などの売り上げが伸びてきた=東京都中央区の高島屋東京店【拡大】
甘利明経済財政担当相は27日、2月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気の基調判断は「一部に弱さが残るものの、下げ止まっている」に変更し、2カ月連続で上方修正。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による株高で消費マインドが改善しているほか、自動車生産に下げ止まりの動きがみられることなどを反映した。
2カ月連続上方修正は2011年1~2月以来2年ぶり。甘利経財相は会見で「景気は明るい兆しになりつつある」と述べた。
個別項目の判断では、個人消費について「底堅く推進している」と上方修正。高級時計や貴金属などの販売が伸びているほか、旅行などレジャーが持ち直している現状などを踏まえた。
生産の判断は「下げ止まっている」に引き上げ、企業収益と業況判断も上方修正。一方で、設備投資は「弱い動き」、輸出は「緩やかに減少」との判断を据え置いた。
先行きについては、リスク要因として記載していた「デフレの影響」という表現を3年4カ月ぶりになくした。アベノミクスで企業や家計のマインドが改善し、今後はデフレがもたらすマイナス影響が軽減されていくとの見通しを示した。ただ、現状に関しては、物価の下落基調が続いているため、「緩やかなデフレ状況」という表現を変えなかった。