また、同省は工業化促進の政策立案や、税制面での生産コスト低減への協力など、政府による産業振興に向けた強力な支援が不可欠だと提言した。
これを受けて投資促進委員会が、自動車を自国生産の新車に買い替える際に優遇措置を講じるよう提案するなど、各方面で意見が活発に交わされている。同国は国内で登録された自動車310万台のうち170万台が10年以上前の旧年式車で占め、買い替え需要が高まりつつある。
自動車の生産は工業化促進に直結するうえ、部品など産業の裾野も広く、高付加価値製品の生産が就業者の所得向上につながるといった波及効果もある。
現在、東南アジア地域は自動車販売が好調で、インドネシアとタイは年100万台、マレーシアが同60万台を超える。各国が工業発展を目指し生産能力の増強に注力するなか、フィリピンが強固な自動車産業を育成できるか、政府の手腕が問われている。(シンガポール支局)