だが、EU内では、国内に自動車産業を抱えるフランスやイタリアが日本車の輸入増を警戒してEPAに慎重だ。昨年11月のEU貿易相理事会では、自動車輸入が急増した場合、セーフガード(緊急輸入制限)を発動することなどを条件にして交渉開始を決めた。そのため、自動車関税がゼロの日本は、4月にも始まる交渉では自動車の安全基準や整備工場の面積制限を緩和するなど関税以外の分野で市場開放をアピールし、代わりに関税削減を求める方針だ。
一方、先駆けて交渉入りする日中韓FTAでは、日本は関税削減などにより最大の貿易相手国である中国への輸出拡大を目指すほか、3カ国のサプライチェーン(部品の供給・調達網)の強化を目指す。
中国は乗用車に25%の関税をかけているほか、液晶部品が5~12%、生産ラインで使う工作機械が9.7%と高関税。韓国も自動車のギアボックスが8%で、域内の関税が引き下げられれば日本企業の生産・販売増が期待できる。