米国は世界最多の原発104基を抱えるが、大半は1980年代以前に建設された。改修費用は年々かさむ。規制強化も事業者の頭痛の種だ。米原子力規制委員会(NRC)は昨年、米国内の原発に対して福島第1原発事故を踏まえた安全対策の強化を命じている。
さらに、米国ではシェールガス開発で安価な天然ガスを使った火力発電が急増し、原発のコスト競争力が相対的に下がっている。デューク・エナジーはクリスタルリバー原発の代替施設に、天然ガスを燃料とする火力発電所を検討中だ。
長年稼働し地元のエネルギー需要や雇用を支えた原発の閉鎖は、地域経済に影響を与えずにはすまない。ドミニオンのトーマス・ファレル最高経営責任者(CEO)も「従業員の献身的な働きを思うと、実に厳しい決断だった」と唇をかむ。
だが、「シェール革命」のうねりは「業界関係者の想像以上」(日系電力会社幹部)で、エネルギー政策の根幹も揺さぶる。オバマ政権は当初、「化石燃料の依存脱却」に向けて原発推進を強調し、昨年はジョージア州で34年ぶりに原発建設を認可した。