インドで「水の危機」が深刻化している。上下水道の普及の遅れが原因で、衛生状態に問題のある水を飲料用や生活用として使わざるを得ないなど、国民生活に多大な影響を与えている。現地紙ヒンドゥスタン・タイムズなどが報じた。
世界銀行によると、同国で発生する感染症の21%は水が原因であるほか、不衛生な水の摂取が原因の下痢による死者数は年間約60万人にのぼる。特に総人口12億の7割が暮らす地方では、半分以上の地域で供給される水に安全上問題があるとされ、改善が急務となっている。
また、インドでは下水処理の能力不足も深刻だ。国連によると、同国の下水処理能力は10%にとどまっており、90%が川などに直接流されている。そのため、水質が悪化した水が生活用水や飲料水に使用されるという悪循環に陥っている
インド政府も危機感を強めており、昨年は02年策定の「国家水政策」を10年ぶりに一新し、官民連携による水道整備の進行や、水質データの公開などの方針を打ち出した。今年度(13年4月~14年3月)の予算でも飲料水衛生省に前年度比17%増の28億ドル(約2760億円)を配分するなど、対策を急いでいる。