ただ、その安全性には疑問の声が挙がっている。あるユーザーがネットショップの支払いを行う際、「支払い処理システム故障中」のメッセージとともにスーパーネットバンクを利用した引き落としに了承するよう誘導され、相手側に資金を移動できる権限を付与した24秒の間に10万元(約16万4000円)が引き出されたという。
これについてセキュリティー情報サイト「360セキュリティーセンター」は、「スーパーネットバンクを悪用した詐欺行為は増え続けており、偽の電子メールを送りつけたり、支払い処理中に不正なポップアップ表示を出すなど、資金移動権限を渡すようユーザーを誘導している」と説明する。
リスク説明不十分
天津万華法律事務所の李琳弁護士は「こうした詐欺事件は、ユーザーの多くがスーパーネットバンクの機能を理解していないため起こっている。ユーザーにサービス使用のリスクを十分説明していない銀行も一定の責任を負うべきだ」と考える。
李弁護士はリスク低減のために(1)口座の関連付けを行う際、リスクが生じることを警告するメッセージを表示する(2)関係によっては処理を制限する(3)振込手続きの直前にパスワードの入力などで確認させる(4)関連付けの解除を容易に行えるようにする-などが必要だとしている。(上海支局)