なかでもサムスン電子の携帯電話などを含む総輸出額は昨年127億ドルに達した。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ベトナムの12年の合計輸出額は約1146億ドルで、同社の輸出額は、全体の約1割に相当する。
サムスン電子は09年にベトナム進出。北部バクニン省の生産拠点で製造を開始して以来、同国の携帯電話をはじめとする電子機器産業を牽引(けんいん)してきた。
ベトナム政府は、北部タングエン省で今年3月末に着工したサムスン電子の第2生産拠点で製造される製品に対し、生産開始から4年間は免税とするなどの優遇措置を発表。さらなる生産拡大を強力に後押ししている。
今年末の稼働に伴い、サムスン電子のベトナムからの輸出額は今後、年間200億ドルに達する見込みだ。15年には同社が製造する携帯電話の半数がベトナム製となる予定。生産拠点の設置拡大により、サムスン電子に協力する電子部品各社もベトナムに集積することが見込まれ、雇用拡大など経済波及効果も大きいと期待されている。(シンガポール支局)