黒田日銀総裁「消費増税、経済損なわず」

2013.7.30 06:00

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は29日、東京都内で講演し、消費増税が来春以降、予定通り実施されても「生産、所得、支出の好循環が働き、0%台半ばとみられる潜在成長率を上回る成長を続ける」と述べ、足元の景気回復基調が増税によって脅かされることはないとの見通しを示した。

 黒田総裁は日本経済の見通しについて、「来年以降は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響が見込まれる」と指摘。その上で「基調的には潜在成長率を上回り、平均2%近い成長を予想している」と述べた。日銀は経済・物価情勢の展望(展望リポート)の7月の中間評価で、消費税率引き上げの影響を織り込んだ実質国内総生産(GDP)の対前年度比上昇率を、2013年度は2.8%、14年度は1.3%、15年度は1.5%としている。

 一方、黒田総裁は「デフレ脱却を達成するためには、持続可能な財政への取り組みを着実に行うことが極めて重要」とも述べ、政府に対し、財政再建を着実に実行するよう求めた。

 消費税率の引き上げをめぐっては、安倍晋三首相のブレーンの浜田宏一内閣官房参与が、景気への配慮から税率を毎年1%ずつ上げる案を主張。これに対し、自民党内からは「現状では(増税を)引き延ばすのは考えづらい」(石破茂幹事長)と、予定通りの引き上げを求める声が出るなど、政権内で意見が対立している。

 増税を判断する時期について菅義偉官房長官は29日の会見で「(秋の臨時国会)前には(首相が)判断されると思う」との見通しを示している。

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