ただ、国内の電力増強計画などを受け、輸出を規制して国内消費に充てるべきだとの意見もある。現状のペースで石炭の採掘が続けばおよそ40年でインドネシアの石炭は枯渇するとの調査結果もあり、規制論の根拠の一つともなっているが、政府は現在のところ輸出税などの規制は考えていないとしている。
こうした流れを受け、国内の石炭会社は生産を強化している。今年1~6月の石炭販売量の前年同期比増加率は地場最大手のブミ・リソーシズが20.2%、大手ブキット・アサムも19.7%とそろって大幅増。今年後半は国営鉄道会社が44両の石炭運搬車両を追加するなど、サポート体制も整う。
一方、懸念材料は石炭の国際価格だ。インドネシアやコロンビアなど石炭産出国の生産量が需要を上回る状態が続いており、世界的に石炭価格が下落基調にある。インドネシアのエネルギー・鉱物省が設定する参考価格は世界最大の消費国、中国の成長鈍化による需要減などから今年1月から6月の間に6.7%下落した。現在の価格は08年の半分以下とのデータもある。
専門家は現在の状況を供給過剰だと指摘。「採掘会社と買い取り業者との契約状況から、7~9月期も石炭価格は低迷が続くだろう」と述べ、石炭会社の収益が悪化する恐れがあると警告を発した。(シンガポール支局)