今年6月に発足したシャリフ政権は今後、IMFとの約束に基づいて経済再建に取り組む方向だ。安定した税収確保を実現するための税制改正を進めるほか、経営不振が続く国営企業の解体や民営化を実施するなどして経済改革を実現しつつ、ここ数年は3%程度にとどまっている成長の加速を図る。
重要課題の一つに挙げられている国営企業改革に関しては、年内に65社の改革案を提示する。この中にはパキスタン国際航空の分割民営化などの大型案件も含まれる見通しで、政府は今月末までに先行する30社の改革案を提示するとしている。
また、パキスタン政府はIMFの支援再開をきっかけに、これまで減少していた外国や他の国際機関からの融資の増加を目指す。パキスタン中央銀行によると、8月29日時点で同国の外貨準備高は輸入額の2カ月分に満たない51億ドルまで減少しており、政府は融資の増加によって、これ以上の外貨準備の減少を食い止めたい考えだ。
しかし、同国は慢性的な電力不足に悩むほか、北西部ではイスラム原理主義勢力タリバンの活動が活発化するなど、経済成長の実現の前には難題が山積している。改革を軌道に乗せて融資を確保しつつ、経済再建を進めていけるのか。シャリフ政権の指導力が問われる局面が続きそうだ。(ニューデリー支局)