世界各地の取引所で頻発するシステム障害の背景に指摘されるのが、IT化による複雑な電子取引の「死角」ともいえるコンピューターや通信機器のトラブルだ。ナスダックの例では、ニューヨーク証券取引所(NYSE)傘下の電子取引所との間で接続障害が起きた。20回以上も接続と切断が繰り返されて、通常の26倍もの取引データがナスダック側に流れ込み、処理能力を超えてパンクした。障害時のための代替システムもうまく働かなかった。
開発追いつかず
コンピューターを通じて1000分の1秒単位で注文を繰り返す高速取引の普及も影を落としている。各国の金融機関や機関投資家が高速取引を活用して利ざやを積み重ねているが、システムには大きな負荷がかかり、「取引所も業者も開発が追いつかない中で、不具合が起きやすくなっている」(米市場関係者)とされる。トラブルがひとたび起きれば損害は甚大だ。
香港取引所がロンドン金属取引所を買収するなど、取引所の再編が世界的に加速しているのは、高速取引に対応するため規模の拡大を通じてシステムの増強を図る狙いもある。