マレーシア、ビール販売減速 国内消費に陰り、酒税増も影響

2013.9.30 05:00

 マレーシアで国内消費の勢いに陰りが見え始め、ビール販売が伸び悩んでいる。地場調査会社アフィン・リサーチによると、今年上期(1~6月期)のビール販売量は前年同期比1~2%増とほぼ横ばいにとどまったもようだ。同社は上期の低調を受け、今年の販売量伸び率の予想を4%から2%に、来年の予想も3%から2%に下方修正した。現地英字紙スターなどが報じた。

 同国は補助金削減による燃料価格の引き上げや不動産価格の高騰から国内消費の拡大ペースが落ちている。個人消費の成長率も昨年の7.7%から今年は7%に、来年は6.7%と成長が鈍化していく見通しだ。

 また、今年後半から来年にかけては大きなスポーツイベントもないため、ビール販売は減速するとみられている。

 さらにビール販売の足を引っ張ると予想されるのが、政府による酒税の増税だ。現在、同国はビールに対して東南アジア地域で最高水準の1リットル当たり7.4リンギット(約230円)の税金を課している。しかし、同国政府は財政赤字削減を目指して税制改革に取り組んでおり、アフィン・リサーチは2005年から据え置きのビール税率が引き上げられる公算が大きいと見込む。

 同国のビール市場はデンマークのカールスバーグとアイルランドのギネスが2強を形成。昨年の両社現地法人の成長率は、合わせて前年比23.4%だった。(シンガポール支局)

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