政府与党政策懇談会で消費税率引き上げを表明した安倍晋三首相(左)=1日午後、首相官邸【拡大】
復興特別法人税の1年前倒しでの廃止を政府が打ち出したのも、賃上げにつなげるのが狙いだ。税制改正大綱で「賃金上昇につながるか確認する」と明記された。これらの政策により、SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「1~2割の企業が賃上げする可能性がある」と話す。
ただ、賃上げは各企業の裁量に委ねられている。今回の対策で企業が賃上げに踏み切らなければ、消費税率3%分のアップは、その分だけ家計を直撃する。経済対策での家計支援策は限定的で、低所得者に対する現金支給や住宅取得時の給付金など対策費はいずれも3000億円規模にとどまる。
政権にとって、税負担が軽くなった企業の恩恵を家計にどこまで波及させられるかがカギとなる。
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■経済対策の主なポイント
【減税策】 実施規模
・企業向け投資減税 7300億円
・賃上げ企業に対する減税 1600億円
・住宅ローン減税の拡充 1100億円
・復興特別法人税の1年前倒し廃止 9000億円
(12月中に決着)
【経済対策】
・低所得世帯への現金給付 3000億円
・住宅購入者向けの現金給付 3100億円
・震災復興事業 1兆3000億円
・公共事業など 2兆円
※減税分には2013年度からの実施分も含む