ビュッフェ形式で割り込まれるのが嫌なので、できるだけ先を譲り、後からゆっくり取ることにしている。
個人的なこだわりが中国で理解されることはまずないが、その日、割り込んできた女性は空気を察知したのか、互いに譲り合い、結局、こちらが先に料理を取って席に着いた。
しばらくして飲料を取りに行くと、その女性の夫か恋人か、30代とおぼしき男が突然、英語で難癖をつけてきた。その女性が制止するのも聞かず、口角泡を飛ばして止まらない。「女性のメンツを潰された」ということらしいが、理解しがたい論法だ。
不毛な押し問答と男の鼻毛に嫌気が差していたところ、なじみの中国人従業員が「電話がかかってますよ」と言って、助け出してくれた。