Ｇ２０きょう開幕、米財政リスク焦点　日本は消費増税アピール

　２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議が１０日夜（日本時間１１日朝）、ワシントンで開幕する。政府機関の一部閉鎖や債務上限引き上げ問題に揺れる米国の財政リスクが焦点となるほか、新興国の成長鈍化で踊り場に入った世界経済の見極めもポイントになる。

　新しい会計年度に入った米国は予算が成立せず、政府機関の閉鎖が長引いているのに加え、１７日にも連邦債務が上限を超えてデフォルト（債務不履行）に陥る危機に直面。世界経済への深刻なリスクを回避するため、Ｇ２０は米国に対して危機回避に向けた説明と対策をただす。

　また、中国やインドなど成長に急ブレーキがかかった新興国の状況も点検。新興国経済や金融市場の動揺を招きかねない米量的金融緩和の縮小も中心議題となる見通しだ。

　日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦（はるひこ）日銀総裁が出席。大胆な金融緩和の継続と５兆円規模の経済対策とともに、来春の消費税率引き上げをアピールし、デフレ脱却と財政再建への取り組みについて各国の理解を得たい考えだ。

　Ｇ２０は１１日に共同声明を採択して閉幕する。（ワシントン　柿内公輔）