【ニューデリー=岩田智雄】女子教育の権利を訴え、今年のノーベル平和賞の最有力候補に挙げられていたパキスタン人の少女、マララ・ユスフザイさん(16)が受賞を逃したことに、パキスタンでは落胆の空気が広がったものの、マララさんの勇気をたたえる声が相次いだ。
マララさんの地元、北西部スワト地区に住むマララさんのいとこのハサンさんは産経新聞の電話取材に「マララが候補になっただけでもうれしい。パキスタンと世界中の少女の誇りだ」と語った。
スワトは、2007年ごろからイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に支配された。その後、軍がタリバン運動を撃退し、マララさんは抑圧されてきた女子教育の解放を訴えてきた。
しかし、タリバン運動のメンバーは今も潜伏し、先月には、スワトの治安担当軍幹部がペシャワルで、爆弾テロにより殺害された。平和な暮らしへの道は遠く、銃撃後は欧米で活動するマララさんへ反感や複雑な思いを抱く人もいる。
かつてマララさんが通った学校のセイマ・ナズ校長はAP通信に「マララさんが撃たれて注目を浴びるようになってから、ここはよりいっそう危険になった」と打ち明けた。地元の記者は産経新聞に「マララは受賞に値しない」と述べた。