財務省が21日発表した2013年度上期の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4兆9892億円の赤字だった。半期ベースで、12年度下期の4兆9408億円を上回り、比較可能な1979年度以降で過去最大の赤字だった。円安に伴って輸出が増加に転じたが、景気回復による内需拡大や火力発電用燃料の需要増で輸入も大幅に増加し、輸出を上回った。
輸出は、米国向け自動車などが好調で、前年同期比9.8%増の35兆3199億円と2年半ぶりに増加した。一方で輸入は13.9%増の40兆3091億円で7期連続の増加。火力発電用燃料の液化天然ガス(LNG)などのほか、スマートフォン(高機能携帯電話)が増えた。
円安に伴って、輸出環境は改善しつつある。堅調な米国経済に加え、欧州連合(EU)も景気低迷から脱しつつある。今後、新興国が持ち直せば、輸出は金額だけでなく数量が増えることも期待される。海外経済の回復は、「米国向けの自動車に加えて、各国への工作機械などの輸出増にもつながる」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)。
株高や企業業績の回復を背景に個人消費を中心に内需主導で景気は上向きつつある。輸出の回復基調が鮮明になれば貿易赤字の縮小も期待され、景気回復の流れがさらに強まることになりそうだ。