しかも、ジャーナリストの取材活動など、「特定秘密」にアクセスしようとする行為まで処罰対象としています。最高で懲役10年という刑罰は、報道・取材を萎縮させ、国民の知る権利に対して致命的な打撃を与えかねません。
◆制限される国会の調査権
国会の調査権をも制限しています。国会に「特定秘密」を提供するときは、非公開の「秘密会」としたうえで、提供範囲も限定し、扱い方にも制限を加えるとしています。国会議員も秘密を漏らせば処罰されます。これでは、国会が政府を監視しチェックすることも不可能になってしまいます。国会の国政調査権を侵害し、国民主権の原理にも反するものです。
政府や与党は、法律の条文に「報道の自由」や「知る権利」に配慮する旨の規定を盛り込むことで、国民の批判をかわそうとしていますが、いくら「報道の自由への配慮」を明記しても、実際の法案の仕組みを見れば、何の保障にもならないことがわかります。
安倍政権は、今度の臨時国会で「秘密保護法案」を国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案と一体で成立させることをねらっています。国家安全保障会議は、日米で軍事情報を共有し、日米軍事一体化をさらにすすめるものです。そのため、アメリカと同レベルの厳格な秘密保護体制が要求されているのです。
自民党が2012年7月に公表した「国家安全保障基本法案(概要)」では、集団的自衛権の行使を容認することを前提に、日本版NSCと秘密保護法の制定を盛り込んでいます。まさに両法案は、日本をアメリカとともに「海外で戦争する国」につくりかえるために、国民の目と耳、口をふさいで、国家の情報を統制し、日米同盟の危険性を追及し批判するものを封じこめようというものにほかなりません。