中国によるレアアース(希土類)の輸出規制をめぐる通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が、規制は不当として共同提訴した日本、米国、欧州連合(EU)の主張を大筋で認め、中国に是正を勧告する中間報告をまとめたことが25日、分かった。11月下旬に出る見通しの最終報告でも、今回の判断が覆る可能性は低く、日米欧の勝訴が確実となった。
WTOは同日までに、関係国に中間報告を通知した。
中国はハイテク機器の部品に不可欠なレアアースの輸出で高率の輸出関税を課しているうえ、輸出割当制度を設け、海外への供給量を制限している。こうした輸出規制について、1審にあたるパネルは不当な輸出制限と認め、WTOの協定に違反していると判断した。
パネルの最終的な判定に不服がある場合、2審にあたる上級委員会に上訴できるが、中国側が上級委でも敗れれば規制撤廃を求められることになる。