総務省が25日発表した9月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除いたベースで、100.5と、前年同月比0.7%上昇した。上昇は4カ月連続。「コアコア指数」と呼ばれる食料とエネルギーを除くベースも98.5で、同0.0%の横ばいとなり、08年12月以来のマイナス圏から脱した。
甘利明経済再生担当相は同日の会見で、デフレ脱却を富士山に例え、「8合目の半ばまできている」と語った。また、麻生太郎財務相も、「着実にこの10カ月の経済政策が当たっている」と、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」効果を強調し、デフレ脱却に向け、進展していると評価した。
生鮮食品を除いたベースが4カ月連続で上昇したのは4年9カ月ぶり。品目別でみると電気代が7.6%、ガソリン代が9.0%上昇するなどエネルギー関連が物価全体を押し上げている様子が明確だ。
さらにパソコン、プリンター、婦人服もプラスとなるなど、消費者の購買意欲が高まっている。このため今年の2月を底にして、改善を続けてきたコアコア指数も9月にプラス圏内に入った。また、キュウリが大幅に上昇するなど、生鮮食品は18.3%上昇した。
全国の先行指標として注目される東京都区部の10月中旬速報では、生鮮食品を除いたベースで、99.7と0.3%上昇。コアコア指数は0.2%減の98.1だった。