ベトナム、1.6兆円で国鉄整備 20年までに初の電化路線8区間 (2/2ページ)

2013.10.28 06:00

 ベトナム国鉄の既存路線約2000キロメートルは100年以上前のフランス植民地時代に設置されたため老朽化が進み、早急な整備が必要となっていた。現在のレール幅は1メートルだが、新設される路線のレール幅は世界標準の1.435メートルを採用する。

 鉄道計画を担う南部運輸エンジニアリング・デザインのドアン・ミン・ハイ総裁は「レール幅を広げることで鉄道の高速化を図る。時速120キロメートルでの走行も可能になるだろう」と期待を述べた。

 ベトナム最大の都市ホーチミンは急激な経済成長に伴い人口も増加。交通インフラの整備が急務となっている。

 今年6月には、日立製作所がホーチミンで18年に開業が予定される都市鉄道(メトロ)第1号線の車両や運行システム一式を、3億7700万ドルで受注。

 ホーチミン市都市鉄道管理局は計6路線の都市鉄道の建設を計画しており、アジア開発銀行から5億ドル、スペイン政府から2億ユーロ(約268億円)が資金供与されるなど、海外からの資金投入も加速している。

 ホーチミンとハノイを結ぶ国鉄南北線(1726キロメートル、現在の所要時間約30時間)では、部分的に高速鉄道を建設する計画もあり、ベトナムの鉄道インフラ整備への需要は今後ますます高まることが予測され、国内外の関連企業にとってビジネスチャンス拡大が期待される。(シンガポール支局)

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