□シュローダー・インベストメント・マネジメント社長 ガイ・ヘンリキスさん(48)
--英国の「ISA」を参考にした日本の少額投資非課税制度「NISA」が来年1月に始まる
「英国の資産運用会社としてISAによる大きな変化を見てきた。英国では導入前、投資は富裕層や機関投資家だけのものだったが、意識が変わった。日本でも同じような変化をもたらすと思う。ただ、日本ではデフレにより、現金で持つ方が安全だという考えが浸透しており、リスク資産の需要が高まるまで、少し時間がかかるだろう」
--NISAへの対応は
「英国での経験から、どんな商品が非課税制度に合っているのかをわれわれは知っている。それを生かし、NISA向けファンドとして世界の株式、債券などに投資する『シュローダー・インカムアセット・アロケーション』(愛称グランツール)を日本で設定した。長期で安定的な運用を目指している。こうした運用に強みを持ち、幅広い商品を持つわれわれにとって、NISAは追い風になる」
--日本株に対する投資姿勢は
「悪い時期が続いたが、数年前から明るい兆しがあり、日本株は長期的に成長すると考えていた。企業が円高などの厳しい環境を乗り越えてきたからだ。この1年間で、ファンドマネジャーらからなる日本株のチームの人員を2人増やして26人にした。今後も態勢の強化を続けたい」
--グループでの富裕層向け運用ビジネスの状況は
「老舗の英資産運用会社カザノブ・キャピタル・ホールディングスを買収し、事業規模を約2倍に拡大した。欧州のほか、シンガポールに拠点を置いてアジアでも展開を始めた。日本などアジアの他の地域についても今後、可能性を探っていきたい」
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