中国のスマートフォン(高機能携帯電話)市場で急速に人気が高まる北京の新興スマホメーカー、小米科技。同社の初代スマホが発売された2年前から続く品不足は改善される気配もなく、米アップルのiPhone(アイフォーン)発売当初を思い起こす。
◆最先端並みの性能
今年8月に発売された新製品「紅米」は、799元(約1万2900円)と低価格にもかかわらず、1.5ギガヘルツのクアッドコアCPUを搭載するなど「昨年の最先端端末並みの性能」(小米の雷軍董事長)を実現したという。実際、紅米のスペックをみると費用対効果はかなり高く、手にしてみても興味が湧くデザインだ。
費用対効果の高さが最大のメリットとはいえ、一般ユーザーが799元で手に入れるのは容易ではない。公式サイトでは品切れ状態が続き、予約をして辛抱強く待つしかないのが現状だ。
小米の黎万強副総裁は「提携する中国移動通信(チャイナ・モバイル)の店舗でも購入できる」というが、中国移動の販売店で紅米を販売している気配はない。
これについて中国移動の関係者は「実店舗での販売は行っておらず、(ネットショップの)天猫商城(Tモール)に出店している旗艦店でのみ販売している」と説明。だが、そこでもやはり「販売終了」となっていた。
その一方で、TモールやC2C(個人間取引)サイトの淘宝網(タオバオ)にある300を超える一般の店舗で、紅米が販売されている。9月下旬時点で、紅米のTモール販売数が1位だったのは上海の「岸月デジタル」で3507台。タオバオでは北京の「快e手機網」の2696台だった。タオバオとTモールの合計販売台数は累計3万台になるという。
◆ネットでは高価格も
もっとも、こうしたネット上での紅米の平均価格は約1200元。公式サイトより400元ほど高く売られている。これでは低価格とはいえない。