韜光養晦の4文字の後に、トウ小平はさらに「有所作為」と続けた。為(な)すべきを為して業績を上げよ、との意味だが、アヘン戦争以後、欧州勢や日本に侵略を受けた歴史を恨む中国では、一般的に、「いずれ国力をつけて仕返しせよ」と解釈しているという。これぞ「倍返し」だ。
立派な技術をもつネジ工場の経営者だった父親を見捨てた銀行に「私怨(しえん)」を抱きつつも、半沢直樹は必死に勉強して一流大学を卒業。その銀行の入社試験面接で「ウソ」までついて就職し、営業職で実力を磨いた。
半沢直樹の銀行に対する私怨を、中国人の多くが外国に抱き続ける歴史的な遺恨と考えてみる。中国の場合、教育された歴史が真実かどうか、理性的な判断も乏しい中での話だが。