◆情報共有が困難
蘇副会長によると、中国にはまだ国民の所得情報を網羅した包括的なシステムがなく、第1次分配を実施したとしても、政府はその成果すらはっきり把握することができない。このため、第1次分配の成果の一端だけを見て第2次分配を調整することとなり、本来ある格差の是正は極めて困難な状況がある。
一方、今年2月に公布された「所得分配制度改革の深化に関する若干の意見」では、第12次5カ年計画(2011~15年)期間中、中央政府が管轄する国有企業の収益の上納率をさらに5%前後に引き上げるといった内容が盛り込まれた。
◆社会保障に充当
増加部分の一部は社会保障など民生の財源に充てられることになっており、すでに財政省がその準備にとりかかっているという。
業界関係者は、教育、医療、及びその他社会保険など民生に関わる財政支出の割合を引き上げることこそ、低所得者層の生活水準の底上げや格差の是正の有効な手段であると主張する。つまり「所得分配制度の抜本的改革には、税・財政制度改革が必要不可欠」(蘇副会長)だ。
税・財政制度は所得分配制度の重要な構成要素で、その改革が与える影響は大きい。万が一、税・財政制度が改められなければ、所得分配制度改革の多くが立ち行かなくなるだろう。
蘇副会長が指摘する通り、国有企業の上納率の引き上げを含め、減税や増税、支出の管理・抑制、制度の健全化などやるべきことは多い。3中総会を前に、明るい兆しが見え始めた所得分配制度改革。しかし、その実現までの道のりはまだまだ遠そうだ。(中国証券報=中国新聞社)