経団連とJAグループは11日、日本の農業の競争力強化のための作業部会を共同で設置し、東京都内で初会合を開いた。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加で農産品の関税削減・撤廃が予想されるため、経済界の持つ技術や流通網、販売手法を生産現場に導入するなど連携を強化して国内農業の競争力向上を目指す。
平成30年度にもコメの生産調整(減反)を廃止するなど、政府が検討している農業活性化策に背中を押され、意見対立が続いてきた農業界と経済界の連携が本格化しそうだ。
全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長は会合で、「(高齢化など)われわれは待ったなしの状況に置かれている。(生産者が販売・流通も手掛ける)6次産業化や輸出で情報交換していきたい」とあいさつ。
これに対し、経団連の米倉弘昌会長は会員各社の農業との連携が約290に上ることを紹介し、「これまでの取り組みを効率化して強力に推進していきたい」と述べた。
作業部会は経団連とJA双方の実務者約10人で構成。部会は年内に2回目を開催し、その後は2カ月ごとに開く。「最終的な着地点は今後の協議次第」(経団連幹部)としている。