政府税制調査会(首相の諮問機関)は14日、海外から日本の消費者向けの電子書籍や音楽の配信サービスに消費税を課税する方法を議論した。海外企業に納税義務を課して、日本に税金を納める方法などの3案が示された。ただ、いずれの案も課税上の課題を抱えており、政府税調では、執行上の問題など論点の整理を急いで、来年中をめどに答申をまとめたい考えだ。
現在、米アマゾン・ドット・コムなど海外のネット配信には消費税が課せられない一方、国内のネット配信には消費税が課税されている。消費税率が2014年4月に現在の5%から8%、15年10月に10%に引き上げられれば、海外事業者との価格差がさらに広がるため、国内事業者からは「不公平」として、是正を求める声が強まっている。
政府税調では今後、海外ネット配信に伴う消費税の非課税となった金額などの影響調査も急ぎ、早期に海外事業者への課税方法を検討する構え。会見で政府税調の中里実会長(東大大学院教授)は「やればやるほど問題が出るテーマで、場合によっては政治的な判断に任せることもありうる」と述べ、課税の難しさをにじませた。