【北京=矢板明夫】16日付の中国共産党機関紙、人民日報によると、習近平国家主席は、12日に閉幕した第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で、国家安全委員会を新設する理由について「わが国はいま、対外的に国家主権や安全を守らなければならない圧力に直面している」と説明し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日本との対立などが国家安全委新設の背景にあることを示唆した。
同紙によると、習主席は同時に「国内には政治・社会の安定を守るという圧力もある」と語った。その上で「予見可能、あるいは予見困難なさまざまなリスク要因が明らかに増えている中、私たちの現在の安全対応メカニズムはもはや国家安全の必要性に適応できなくなった」と強調し、「国家安全に関する集中的な、かつ統一した指導の強化は当面の急務だ」と語った。
中国の国家安全委員会については、米国の国家安全保障会議(NSC)をモデルにしたとの見方を中国内外のメディアが伝えている。習主席が今回、国内治安も担当すると明言したことで、NSCだけでなく、旧ソ連の情報・特務機関、国家保安委員会(KGB)のような機能も兼ね備えた組織になるとの見方が有力になっている。
共産党関係者は「習主席が初代トップに就任する可能性が高い」と指摘し、「軍、警察、情報機関に加え、外交やメディア管理をも担当する巨大な組織が誕生すれば、李克強首相が主導する国務院(政府)の多くの権限がかなり小さくなるだろう」と語った。