シンガポールが正念場を迎えている。かつては東南アジア随一の経済成長を遂げて周辺国からは羨望(せんぼう)の的だったが、ここにきて経済は低迷。さらに8日には街のど真ん中で1969年以来、44年ぶりという暴動が発生した。リー・シェンロン首相もさぞ頭が痛いだろう。
高まる国民の不満
先日、シンガポールの繁華街、リトル・インディアで起きたインド系やバングラデシュ系の外国人労働者による暴動は、シンガポール政府が進めてきた外国人受け入れ政策が限界に達していることを示した。
今回の暴動は、シンガポール警察の発表では、酔ったインド人労働者が作業員宿舎の送迎用バスから降ろされた直後に、そのバスの後輪に巻き込まれた事故がきっかけだ。11日の発表によると、暴動罪で10日にインド人24人を起訴したのに続き、11日にも3人のインド人を起訴。さらに捜査を進めるという。
リトル・インディアは、シンガポールの大統領官邸や首相府の東側で、真新しいショッピングモールが相次いで開店する人気の観光地だ。