米国務省と国家安全保障会議(NSC)の報道官は12日、北朝鮮の前国防副委員長、張成沢氏が処刑されたことについて、「朝鮮中央通信の報道を疑う理由はない。確認されれば、北朝鮮政権の極度の残忍性を示すもう一つの例である」と批判した。
さらに、北朝鮮情勢の推移を注視しており、日本や韓国を念頭に「地域の同盟・友好国と協議している」と指摘した。
張氏粛清の動きについて、これまで米政府は明確な見解を表明してこなかった。一方では、バイデン副大統領が先に、中国を訪問し習近平国家主席と会談した際、張氏粛清の動向をめぐり情報と意見を交換するなど、金正恩体制内における変化を注意深く評価、分析している。
この結果、今回の処刑に至る粛清は、基本的に父親の金正日総書記に近い「古い保護者」を排除し、金正恩第1書記の側近を挿入する権力強化の最終段階の動きとみている。(ワシントン=青木伸行)