2013年も年の瀬を迎え、この1年を回顧した報道が目立つようになった。
「潮目が大きく変化した1年」と全国銀行協会の國部毅会長(三井住友銀行頭取)は指摘しているが、まさにこの1年はアベノミクスにより日本経済が大きく転換した1年であったように思われる。アベノミクスの評価はさまざまだが、少なくとも対市場という意味では絶大な効果を上げている。変化を感じた1年であった。
私事でも父親が他界するという節目の年であった。末期の肺がんであった父は2カ月半の闘病を経て鬼籍に入ったが、この間の体験はかつて経験したことのない貴重なものとなった(私事を書き連ねることをお許し願いたい)。
北九州市の地元「萩原中央病院」に入院した父を見舞うこと5回、臨終にも立ち会えたことがなによりの慰めだが、この間、病院の許しを得て病室に寝泊まりした際、垣間見た医療の現場は壮絶なものであった。医師、看護師の勤務は昼夜を問わず、現場の看護師は3日に1回は夜勤で仮眠もとらずに看護に当たる。いつ何時、危篤状態に陥ってもおかしくない患者さんが多数入院されていた。その中には喉元からチューブを挿入され、意識のない方々も少なくなかった。定期的に喉に細い管を入れ、たんを採らなければならない。医療の現場は想像の域を超え、常に緊張を迫られる。看護師の方々の精神力には頭の下がる思いであった。高齢化が進み、2人に1人ががんで亡くなる時代である。医療の最前線は危機的な状況に立たされていることを痛感する。
そうした中、年末の予算編成に絡み、医療費の根幹をなす診療報酬の改定が決まった。国の予算のうち医師の技術料や薬代にどう配分するかを決める診療報酬の見直しは原則2年おきに実施される。結果は、当初のマイナス査定を覆して来年4月から0.1%の引き上げで決着した。