昨春、北京市内で開催された不動産物件展示会。“バブル崩壊”が現実味を帯びてきた(共同)【拡大】
新年早々、中国の各メディアがいっせいに取り上げたのは、香港屈指の財閥の李嘉誠氏率いる長江実業集団が南京市内で所有していた国際金融センタービルを売却した話である。実は昨年1年間、長江実業集団は中国国内で持つ不動産物件を次から次へと売りさばき、126億人民元(約2200億円)を回収して中国大陸からの事業の撤退を急いでいる。
かつて香港財閥の中では率先して中国に投資し、未来を見る目の確かさで知られた李嘉誠氏の行動は当然、迫ってくる危険を察知した上での決断だと理解されている。冒頭の黄怒波氏や朱大鳴氏の警告のように不動産バブルの崩壊は避けられない必至の趨勢(すうせい)なのであろう。
こうなった最大の理由は昨年9月26日掲載の本欄が指摘したように、地方債務や「影の銀行」などの大問題を抱えて金融不安の拡大が危惧されている中で、中国の金融システムが保身のためにリスクの高い不動産関係融資から手を引いたことにあろう。国内の各商業銀行が住宅ローンへの融資停止に踏み切ったのは昨年9月以降のことだが、10月末には早くも「地方中小都市でバブルの破裂が始まっている」という前述の李偉主任の爆弾発言が出た。金融引き締めの効果は一目瞭然である。