FRBは8日、昨年12月17、18日に開いた金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表。同議事録では、債券買い入れ(量的緩和)規模を着実に縮小する、「テーパリング」を支持する意見が示された。12月のADP全米雇用報告は市場予想を上回ったこともあり、ニューヨーク市場は10年債利回りが一時3%を超える場面もあった。
94年と足元の経済環境は似ている。FRBが出口戦略のレールを敷いたため、「先進国→新興国」だったマネーの流れが昨年を機に「新興国→先進国」と逆転した。FRBによる量的緩和によって発生した“ミニ・バブル”が破裂した。
資本流出を防ぐためには、マネーサプライのM2(現金と預金の合計)と同じ水準の外貨準備が必要だが、多くの新興国は2~3割程度にとどまる。MSCI新興国指数は年末から既に5%下げており、今年は新興国経済が火種となる気配が年初から漂っている。(産経新聞ニューヨーク駐在編集委員 松浦肇)