インドへの救難飛行艇輸出で防衛産業再整備 安倍首相、作業部会継続確認の背景

2014.1.26 01:14

 安倍晋三首相がインドのシン首相との間で、日本の救難飛行艇US-2の輸出に向けた作業部会の継続を確認した背景には、中小企業が多い日本の防衛産業を再整備する狙いがある。

 防衛省は昨年12月に決定した平成26年度から5年間の「中期防衛力整備計画(中期防)」を受け、国内の防衛生産・技術基盤の強化に向けた戦略ビジョンを3月にも取りまとめるが、海外展開で防衛装備品の製造数を増やし、大量生産によるコスト削減や安定収益確保を見込んでいる。

 防衛装備品の製造に携わる国内企業は、戦闘機約1200社、戦車約1300社、護衛艦約2500社とされるが、中小企業がほとんどだ。自衛隊の装備品調達の変動によって経営が大きく左右され、防衛生産・技術基盤そのものの崩壊を招きかねない。戦闘機では23年9月に納入されたF2戦闘機を最後に国内生産が途絶えている。戦闘機は昭和58年から平成4年までの10年間は年度平均で21機だったが、15年から10年間はわずか3機にとどまる。

 政府がUS-2の対印輸出を進めているのも、製造数を増やせれば、コストを縮減し、自衛隊の調達費を低減させられるからだ。

 政府は昨年12月に策定した国家安全保障戦略で、武器輸出三原則に関し「武器などの海外移転に関し、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定める」と明記した。戦闘機など主力装備は共同開発・生産が国際的な潮流となりつつあり、日本もルールを確保した上での参加を迫られている。(ニューデリー 峯匡孝)

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