過去10年の貿易収支【拡大】
平成25年の貿易収支は過去最大となる11兆4745億円の赤字となった。液化天然ガス(LNG)などエネルギー関連の輸入が膨らんだことに加え、円安の追い風の下でも輸出が伸びていないことが大きな要因だ。自動車や電機など主要製造業で海外への生産移転が進んだほか、国内メーカーの国際競争力が低下したことで貿易立国の基盤が揺らいでいる。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「主要国の輸出が20年のリーマン・ショック以前の水準を超えて拡大しているなか、日本はその水準に至っていない」と指摘する。
貿易統計をみると、自動車の輸出は、リーマン・ショック前の19年の約814万台に対し、25年は約581万台に減少している。国内自動車大手ではマツダが今月、メキシコ新工場を稼働。ホンダも近くメキシコに新工場を開設するほか、販売好調な米国での工場の能力増強計画がめじろ押しだ。海外で新車需要が拡大しても国内の輸出能力の増強は限定的で、需要地での現地生産が定着している。
電機産業の市場構造も劇的に変化している。ハイテク分野の代表でもある携帯電話など通信機の輸出額は19年の約1兆円に対し、25年は約5300億円とほぼ半減。一方で25年の輸入額は約2兆7千億円と、21年実績の2・7倍にも膨らんでいる。
背景にあるのは世界市場での国内電機メーカーの地盤沈下だ。米アップルや韓国のサムスン電子から輸入したスマートフォン(高機能携帯電話)が日本で売れる一方、NECやパナソニックなど国内勢がスマホ事業の撤退や縮小に追い込まれたのはその象徴だ。(黄金崎元)