3月期決算企業の平成25年4~12月期連結決算の発表が31日、ピークを迎えた。円安株高や景況感の改善など外部環境の好転が続き、各社とも大幅な増益が目立つ。前日までの集計で、経常利益は前年同期比で4割近く増え、26年3月期の通期業績予想も開示企業の1割超が上方修正した。ただ、足元では新興国経済減速などのリスクが指摘される。また、株式市場では早くも、消費税増税の影響を受ける27年3月期の業績見通しに関心が移りつつある。
31日には、東証1部286社を含む上場企業411社が25年4~12月期決算を発表した。SMBC日興証券が前日までに発表した東証1部企業を集計したところ、金融を除く197社の経常利益は前年同期比36・7%増だった。また、14・2%に相当する28社が経常利益予想を上方修正した。
「全事業で円安の効果があった」
セイコーエプソンの久保田健二専務は31日の会見でこう強調した。25年10~12月期の営業利益は57・6%増の408億円と、15年の上場以降で最高益となった。同社は26年3月期の営業利益予想を、従来より210億円多い790億円に上方修正した。
25年10~12月期には一時1ドル=105円まで円安が進み、多くの輸出関連企業に為替差益をもたらしたとみられる。従来1ドル=93円としていた想定為替レートを1ドル=100円(26年1~3月期)に見直した富士通は、26年3月期の経常利益予想を従来より50億円引き上げ、1400億円とした。
証券で大幅増益が相次ぐなど、金融業界では株高の追い風が続く。取引参加料などが大幅に増えた日本取引所グループは、26年3月期の最終利益予想を従来より50億円多い270億円に上方修正した。斉藤惇最高経営責任者(CEO)は31日、「東京証券取引所の1日平均の売買代金は3兆円と、昨年の2・4倍に増えた」と述べた。
景況感の改善も顕著だ。三越伊勢丹ホールディングスの25年4~12月期営業利益は、20年の経営統合後で最高となった。「地方でも高級ブランドの品ぞろえが充実している店が、前年に比べて大きく伸びている」(同社)という。オリエンタルランドも25年4~12月期、すべての利益が過去最高となった。
好調な決算だが、不安要素もある。アルゼンチンなどの通貨急落で新興国経済への懸念が高まっており、ホンダの岩村哲夫副社長は31日、26年のタイでの総需要について「15%近く落ちるとみている」と話した。通貨安が続くインドネシアに注力するダイハツ工業も「販売への影響は仕方がない」(入江誠上級執行役員)と認める。
さらに気がかりなのは、来期の業績だ。株式市場ではすでに、消費税増税による国内需要減の影響を受ける企業が売られる動きも出ている。「投資家の視点はすでに27年3月期に向かっている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)といい、各社の本当の実力が試されるのはこれからだ。