もともと中国経済の“見かけ上の成長率”をまともに報じているのは日本の大手マスコミぐらいで、バブル崩壊のカウントダウンが始まったという見方が大方でしょう。昨秋表面化したシャドウバンキング問題は、国有銀行、商業銀行の個人住宅ローン貸し出し停止措置で、不良債権増大が地方から都市部へ及んでいることが明るみに出ました。
これに輪をかけて深刻なのは、若年失業者の大量発生で、都市大卒3百万人と地方からの出稼ぎ農民工1億人にも及んでいるそうです。こうした流民の急増はここ数年漸増しており、まるで革命前夜を想起させ、少なくともさまざまな「乱」の頻発が動乱に及ぶ可能性はかなり高まっているようです。
とすれば、毛沢東路線回帰を図る習政権は長続きせず、一旦は退歩したかに見える胡錦涛系の李克強首相一派(汪洋、李源潮ら経済改革派)が近未来までに取って代わる可能性が強くなりつつあります。