【アジアの目】チャンギ空港 対岸にライバル出現 (2/2ページ)

2014.2.27 05:00

 もともとガラントはビンタン島と隣のバタム島で、リゾートや工業団地の開発を行ってきた。両島ともインドネシア領だが、シンガポール資本の協力を得て開発が進められ、経済特区(SEZ)が設けられている。さらにバタム島全体とビンタン島の一部は自由貿易地域(FTA)に指定されている。こうした優遇税制に加え、シンガポールから船でも1時間と近いながら、賃金が低いことから、とくにバタム島では電子部品などを中心に40社近い日系工場が操業している。

 一方でビンタン島は工場が少なく、しかも南部に集中している。リゾートは、シンガポールに近い北部一帯で開発が進められてきた。その中心業者がガラントだ。

 ◆航空産業の集積地も

 ガラントのユージン・パクCEOは記者会見で、当初は増大するリゾート客を運ぶ程度の空港にする予定だったが、計画を見直し、空港だけでなく航空産業や倉庫、工業地帯を合わせた関連産業の集積地作りへと拡大したことを説明。さらに、インドネシア以外の航空会社にも新空港の利用を働きかけていることを明らかにした。

 インドネシアは、着実な経済成長に伴って中間所得層が増え、航空機を使った旅行需要が急拡大している。こうした需要に応えるため、LCCはじめ新たな航空会社が次々と設立されている。さらに、マレーシア発祥でアジア最大のLCC、エアアジアも本社機能をインドネシアに移転させた。「インドネシアはマレーシアなど他国より、航空行政に関する規制が少ない」(LCC幹部)ことも理由だという。

 バタム島にはインドネシアの国内線トップのLCC、ライオンエアがハブ空港を設置。さらに東南アジア諸国連合(ASEAN)の15年の経済共同体発足をにらんで、各国が自国を中心としたハブ空港作りに乗り出している。ビンタンの新空港は、ASEANでのハブ空港をめぐる新たな競争の始まりともいえそうだ。(編集委員 宮野弘之)

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