日本政府は、米国や欧州連合(EU)との協力を軸に対応していく考えだ。岸田文雄外相は1日夜、「すべての当事者が法の支配や領土の一体性を尊重し、最大限の自制を発揮してほしい」との談話を発表した。暫定政権に対する経済支援は、政権の正統性などを見極めて慎重に判断する。
ウクライナの経済再建には約350億ドル(約3兆5700億円)が必要とされ、日本の経済支援への期待も高い。ケリー米国務長官は、10億ドル(約1020億円)規模の債務保証の検討も表明した。ただ、日本政府関係者は、暫定政権がウクライナ国内の信任をどの程度得られているのか不透明なことを踏まえ、「米が支援を表明したからといって『では日本も』と即座にはならない」と話す。
一方、日露関係をめぐっては、プーチン大統領が今秋、来日する予定なため、日本政府には北方領土問題や平和条約の交渉加速を期待する向きが強かった。それだけに、ロシア軍が軍事介入した場合、「米露関係が極端に悪化する」(首相周辺)と懸念する声も出ている。両国の関係悪化は、東アジア情勢にも微妙な変化をもたらしかねない。
また、ウクライナには日産自動車など日系企業約40社が進出しており、周辺国にも日系企業の欧州向け生産拠点が多い。外務省幹部は「ウクライナの政情が悪くなれば、周辺国も巻き込んで日系企業に悪影響が及ぶ」としている。